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   (宍戸さんは、一人で生きていける人なんだ。)

   (自分がそばにいなくても、あの人は、一人で人生を渡ってゆく人だ。)

   宍戸亮がいないと、一日足りとも、生きていけない自分とは違うのだ。


   鳳は、そんな事を考えていたら、目頭が熱くなってきた。

   目の前で倒れている宍戸を抱き上げると、そっと閉じている目元に口づけをした。

   それから、彼の細い下肢を両手で押し開いて、その赤く腫れた蕾にも舌を這わせた。


   先ほどの自分の行為で少し切れているのか、錆びた鉄のような味が口内に広がった。

   無茶をした事に心が痛んだが、それでも、鳳は、宍戸の粘膜の感触を味わう事に

   夢中になった。


   彼の身体が、全て愛しい。


   宍戸の体温や鼓動をすぐ近くで感じると、鳳は、幸
せで堪らない気分になる。

   鳳が、深くまで舌を差し入れて体内を愛撫していると、宍戸がゆっくりと瞼を開いた。


   「……お前? お前は。まだ……足りないのか? これ以上、俺に何をしたいんだ? 

    俺の身体が欲しいなら、好きなだけ犯せば良い。勝手にしろッ! 」


   冷たい視線を自分に投げて、そんな言葉を言う宍戸に、鳳は涙がこぼれそうになった。


   必死でこらえてから、鳳は、宍戸にこんな言葉を返した。しょせんは強がりだったけれど。


   「そうですか? 自由に犯して良いんですね?

    宍戸さんに覚悟が出来ていて良かったです。

    では、自分で尻を高く上げてください。これ以上、俺に面倒をかけさせないて下さいね。」

   手を縛られた宍戸が、ノロノロと地面に這うと、鳳が右手で彼の尻を強く叩いた。

  「もっと高く尻を上げてください。これじゃあ、いつまでたっても入りませんよ。」

   鳳が、硬く立ち上がった砲身の先で、宍戸の尻の溝を擦りながら、

   そんなキツイ言葉を吐いた。


   宍戸は、雑草の中へ頭を擦るようにし、つま先立ちになって尻を掲げた。


   鳳の視線の先には、蠢く宍戸の赤い粘膜が見えている。先ほどの海での性行為での

   残滓が、白く内部に付着していた。


   「ウグッ! うわあああ〜! 」

   腰を鳳が進めると、何度も宍戸はうめき声を出していた。鳳は、狙いすませて、宍戸の

   前立腺を何度も擦りあげた。
 腰を深く丸めた姿勢は、前立線が内部へ特出しやすくなる。

   わかっていて鳳は、この格好を宍戸にさせたのだ。


   「さっきは、痛かったですよね? 

    でも、今度は気持ち良過ぎてもっと泣きたくなると思いますよ。」


   すでに、口唇から涎を垂らして土に染みを作っている宍戸へ、そんな残酷な事を言う鳳だった。


   ゆったりと腰を動かして、宍戸を念入りに犯す。

   明日も明後日も、ずっと宍戸を解放する気は、鳳には無かったのだ。



                            ★



   まもなく夕暮れになる。


   宍戸は、何度も襲ってくる快楽に泣き声を上げながら、心の片隅でそんな事を思っていた。


   この時刻では、もう、今日は東京へは帰れないだろう。鳳も、自分を離す気は全く無い

   様子だった。


   (でも……早く帰らないと……。)

   一日だけなら、うまく説明さえすれば、鳳の家族も自分の家族も、不信には思わない

   かもしれない。
けれど、少しでも長引いたら、大変な事になってしまう恐れがある。

   鳳が、どんな状態で家出をしてきたのかはわからないが、とにかく、彼を早く東京へ

   帰してあげたかった。


   無断で家を開ける事も、このままでは、学園を欠席してしまう事も、彼の将来に

   良い事とはとても思えないからだ。


   この島は、きっと無人島では無い。
鳳が自分に嘘をついたのは、すぐに気がついた。

   もし、本当に全て珊瑚礁ならば。土の地面があって、草木が生えるわけが無いからだ。

   確かに小さな島だが、自分達が到着した船着場は綺麗に整備されていたし、荷物を

   置いた木造のバンガロ
ーは、良く清掃されて、ずっと誰かに管理されていた様子がある。

   きっと探せば電話もあるし、定期的に船が連絡しているはずだと宍戸は考えていた。

   宍戸が、心配なのは、鳳の事だけだった。

   彼の心の有様が心配でたまらない。

   ずっと、一人で、この事を悩んでいたのだとしたら、どうして、一緒にいた自分は気が

   ついてあげられなかったのだろうか?


   彼と気持ちが通じあったと思い、浮かれていた自分の罪のように思えて仕方が無い。

   だから、もっと激しく犯して欲しかった。

   彼が心から満足してくれるまで、自分の体内の熱で慰めてあげたかった。

   彼を優しく、両手で抱きしめてあげたかった。

   「長太郎。俺の腕を……解いてくれ。」

   そうしたら、もっと、彼を愛する事ができるのに。


   鳳は、そんな宍戸の言葉を無視したまま、後背位で、
宍戸を失神するまで責めた。

   そして、鳳は、宍戸の体内奥深くで、何度も射精した。

   鳳は、島へ入ってから、ずっと宍戸の中で欲望を吐き出していた。宍戸も、そんな彼を

   拒否しようとは思わなかった。


   宍戸の体内では、熱い迸りが溢れている。


   火傷しそうなほどに熱い、その体液は、今の荒れ狂う鳳の心そのままのように、

   宍戸には感じられたからだった。




      楽園へ行きましょう!第3話へ続きます。行ってみる→


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